負債と将来の義務 一歩くわしく
前受金まえうけきん
商品やサービスを渡す前に、代金の一部または全部を先に受け取ったときの負債
ひとことでいうと
前受金は、商品やサービスをまだ渡していない段階で、代金の一部または全部を先に受け取ったときに生じる負債です。実際に商品を渡した時点で、売上に振り替えます。
「まだ渡していないもの」の代金を、先に預かる
結婚式の装花を頼まれたとき、当日の準備より前に着手金を受け取ることがあります。まだお花を渡していないので、これは売上ではなく、いったん「預かっているお金」として記録します。これが前受金です。
商品を渡す前のお金は、まだ売上ではない
前受金とは、商品やサービスをまだ提供していない段階で、その代金の一部または全部を先に受け取ったときに生じる負債です。手付金、内金、予約金などが前受金にあたります。
商品を渡していない時点では、まだ収益(売上)を計上する条件を満たしていません。そのため、受け取ったお金は、いったん「あとで商品を渡す義務」を表す負債として記録します。
商品を渡した時点で、売上へ振り替える
実際に商品やサービスを提供した時点で、前受金という負債を減らし、売上という収益に振り替えます。前受金を受け取った時点と、売上を計上する時点がずれる点がポイントです。この記事で扱う花屋の例は、納品という一時点で履行義務が果たされるケースです。サービスを一定期間にわたって提供する契約では、その期間にわたって少しずつ収益を認識する場合もあります。
花屋の結婚式の装花を例に考える
図2は、花屋が結婚式の装花を3万円で受注し、式の前に着手金として3万円を先に受け取った例です。まだお花を渡していないので、受け取った3万円は前受金として負債に計上します。
式の当日、実際に装花を納品した時点で、前受金3万円を取り崩し、売上3万円を計上します。もし装花の代金が受け取った金額より多ければ、差額は式当日に別途受け取ります。
仕訳で確かめる
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 前受金 | 30,000 | 売上 | 30,000 |
ここまでのおさらい
前受金は、商品やサービスを渡す前に受け取ったお金です。実際に渡した時点で、売上に振り替えます。
出典と確認状況
説明の範囲
日本基準の入門解説。前受金の考え方、商品引渡し時の売上への振替を扱う。前受収益との違いは別記事で扱う。
- 企業会計基準委員会:企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」第35項:企業は約束した財又はサービスを顧客に移転することにより履行義務を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識する
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
花屋の着手金の金額・時期は説明用の仮定です。契約の途中解約時の返金処理の詳細は未判定です。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。