取得原価しゅとくげんか

資産を取得するために支払った金額に、使えるようにするための付随費用を加えた金額

ひとことでいうと

取得原価とは、資産を手に入れるために支払った金額に、その資産を使えるようにするためにかかった費用を加えた金額です。減価償却など、多くの会計処理の出発点になります。

本体の値段だけでなく、使えるようにするまでの費用も含む

コーヒーマシンを買うとき、本体の値段だけでなく、設置してもらう費用もかかります。会計では、この設置費用も含めた金額全体を、そのマシンの取得原価として扱います。

コーヒーマシンの本体価格55万円に設置費用5万円を加えて、取得原価60万円になることを示す図。
図1 本体価格に付随費用を加えたものが取得原価です。

取得原価には、本体価格だけでなく付随費用も含む

取得原価とは、資産を取得するために支払った金額のことです。ただし、本体の購入代金だけでなく、その資産を使える状態にするためにかかった付随費用(引取運賃、設置費用、試運転費用など)も取得原価に含めます。

例えば減価償却の記事で扱ったコーヒーマシンの取得原価60万円には、本体価格55万円と設置費用5万円が含まれている、といった形です。設置費用を別の費用として一度に計上するのではなく、本体価格とあわせて資産の金額に含め、減価償却を通じて使用期間へ配分します。

取得原価は、いろいろな会計処理の土台になる

取得原価は、固定資産の減価償却や、満期保有目的の債券・子会社株式などの評価の基礎になる金額です。多くの資産は、まず取得原価で帳簿に記録し、その後、資産の種類や保有目的に応じて、取得原価のままにするか、時価などで見直すかが決まります。

取得原価は買った時の金額のまま変わらないのに対し、帳簿価額は減価償却により毎年減っていくことを示す図。
図2 取得原価は変わらず、帳簿価額は少しずつ減ります。

取得原価・時価・帳簿価額の違い

取得原価は、資産を買った時点の金額で、その後は原則として変わりません。時価は、今この時点で市場で売買するとしたらいくらになるかという金額で、日々変動します。帳簿価額は、取得原価から減価償却累計額などを差し引いた、今の帳簿上の金額です。

図2のコーヒーマシンの例では、取得原価60万円は変わりませんが、帳簿価額は減価償却によって1年ごとに12万円ずつ減っていきます。3つの金額がそれぞれ何を表しているかを区別すると、財務諸表の数字が読みやすくなります。

ここまでのおさらい

取得原価は、資産の本体価格に付随費用を加えた、資産を取得するためにかかった金額です。時価や帳簿価額と区別して理解しましょう。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門解説。有形固定資産を中心とした取得原価の考え方、時価・帳簿価額との違いを扱う。有価証券や棚卸資産など資産の種類ごとの詳しい算定方法は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

コーヒーマシンの本体価格・設置費用の内訳は説明用の仮定です。資産の種類ごとの付随費用の詳しい範囲は未判定です。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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