固定資産こていしさん

売るためではなく、長く使うために持つ資産

ひとことでいうと

固定資産は、建物や車両のように、会社が売るためではなく長く使うために持っている資産です。

売る物と、使う道具の違い

花屋にとって、お花は売るための商品ですが、配達に使う車は売るためではなく、長く使うための道具です。この長く使うための道具にあたる資産が、固定資産です。

売るための商品(お花)と、長く使う道具(配達用の車)の違いを示す図。
図1 売る物と、長く使う物はちがいます。

「売る物」ではなく「使う物」

花屋が新しく軽トラック(車両運搬具)を120万円で購入したとします。この車は、お客さんに売るためではなく、お花を配達するために、花屋自身が長く使う物です。このように、会社が使用する目的で持ち、すぐには売らない資産を固定資産と呼びます。

固定資産という名前は、比較的短期間で現金や商品に置き換わる棚卸資産などの流動資産に対して、長期間にわたって形を変えずに使われることに由来します。

固定資産にもいくつかの種類がある

固定資産は、形のある建物・車両・機械などの有形固定資産、形のない特許権などの無形固定資産、長期の貸付金や他社の株式などの投資その他の資産の3つに区分されます。花屋の軽トラック(車両運搬具)は、目に見える形のある資産なので、有形固定資産にあたります。

固定資産が有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産に分類されることと、配達用の車の情報を示す図。
図2 固定資産にも、いくつかの種類があります。

固定資産は、使う期間に分けて費用にする

図2では、花屋の主な固定資産の分類と、軽トラック(車両運搬具)の情報をまとめています。軽トラック(車両運搬具)の購入代金120万円は、購入した月に全額を費用にするのではなく、6年という使用予定の期間に分けて、毎年20万円ずつ費用にしていきます。

この、固定資産の金額を使用期間に分けて費用にする処理を減価償却と呼びます。ただし、減価償却の対象になるのは、車両や建物のように使うことで価値が減っていく資産だけです。土地や、長期の貸付金・他社の株式などの投資その他の資産は、使っても価値が目減りするわけではないため、減価償却の対象になりません。軽トラック(車両運搬具)の120÷6=20万円という計算は、残存価額を0円とし、毎年同じ金額を費用にする定額法という方法を使った例です。

間違えやすい点:値段が高い物がすべて固定資産ではない

固定資産かどうかは、値段の高さではなく、売るためか使うためかという保有の目的で決まります。花屋が販売用に仕入れた高級なお花は、値段が高くても棚卸資産です。逆に、比較的安い金額の道具でも、長く使う目的であれば固定資産として扱われる場合があります。

この記事では、固定資産を購入し使い続ける基本の考え方だけを扱っています。固定資産の価値が大きく下がったときの減損損失、リース取引による使用権資産などは、別の記事のテーマです。

仕訳で確かめる

花屋が配達用の車を現金で購入したとき(単位:万円)
借方金額貸方金額
車両運搬具120現金120

ここまでのおさらい

固定資産は、売るためではなく長く使うために持つ資産です。有形・無形・投資その他に分類され、車両や建物など使って価値が減る資産は、使用期間に応じて減価償却により費用化されます。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門解説。花屋が配達用の車両を購入する例を使い、固定資産の意味と分類を扱う。減損、リースの使用権資産の詳細は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

花屋の数値は説明用の仮定です。固定資産の減損、リース会計における使用権資産、資産除去債務との関係の詳細は未判定です。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

← 用語の一覧に戻る