売上・在庫・固定資産 一歩くわしく
未収入金みしゅうにゅうきん
本業の売買以外で、あとで受け取れる代金の権利
ひとことでいうと
未収入金は、本業の商品やサービスの売買以外の取引で、あとで代金を受け取れる権利です。
本業の代金と、それ以外の代金を分けて考える
花屋がお花を売ってあとで代金を受け取る権利は売掛金です。しかし、花屋が使わなくなった古い設備を他のお店に売って、代金をあとで受け取る場合は、これとは違う未収入金という科目を使います。
「本業の取引かどうか」で科目が分かれる
花屋が古い冷蔵ショーケースを8万円で他のお店に売り、代金は来月受け取る約束をしたとします。この取引は、花屋の本業であるお花の販売ではありません。そのため、この代金を受け取る権利は売掛金ではなく、未収入金という別の資産の科目で記録します。
売掛金が本業の商品・サービスの売買から生じる、あとで受け取れる代金であるのに対し、未収入金は本業以外の取引から生じる、あとで受け取れる代金です。どちらもあとでお金を受け取れる権利という点は共通していますが、取引の性質が違います。
未収入金は、決算書の上でも区別して考える
会計上のルールでは、取引先との通常の商取引によって生じた債権と、それ以外の取引によって生じた未収金などの債権を、区別して考えることが求められています。これは、本業の売上に関する債権の状況と、それ以外の債権の状況を分けて把握できるようにするためです。
古い設備を売った流れを確かめる
図2では、花屋が古い冷蔵ショーケースを8万円で売った日から、代金を受け取るまでの流れを示しています。売った日には、商品の売買ではないため売掛金は使わず、未収入金8万円を資産として記録します。
来月、実際に現金8万円を受け取ると、未収入金はなくなり、代わりに現金が増えます。この記事では、売却する設備の帳簿価額と売却代金が同じだったと仮定しており、売却によって利益や損失が出る場合の計算は扱っていません。
間違えやすい点:未収入金と未収収益は別のもの
未収入金と似た名前に未収収益という科目がありますが、これは家賃収入や利息収入のように、時間の経過に応じて発生するサービスの対価で、まだ受け取っていない分を指します。未収入金は、特定の資産の売却など、個別の取引から生じる代金である点が異なります。
また、未収入金は、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に入金される見込みかどうかという「一年基準」で、流動資産か固定資産(投資その他の資産)かに分類されます。回収までの期間が1年を超える見込みの場合は、金額の大小にかかわらず固定資産に分類されます。
仕訳で確かめる
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未収入金 | 8 | 備品 | 8 |
ここまでのおさらい
未収入金は、本業以外の取引から生じる、あとで代金を受け取れる権利です。本業の売掛金とは分けて記録し、決算書の上でも区別して考えます。
出典と確認状況
説明の範囲
日本基準の入門解説。花屋が古い設備を売却する例を使い、売掛金と未収入金の区別を扱う。有価証券の売却損益、固定資産売却損益の詳細な計算は対象外。
- 企業会計原則注解注16:通常の商取引による債権・債務とそれ以外の未収金・未払金の区別、及び一年基準による流動・固定の分類
- 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第十五条第十二号:一年内に現金化できると認められるその他の資産の流動資産分類(一年基準)
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
花屋の数値は説明用の仮定です。固定資産売却損益が生じる場合の計算は未判定です。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。