金融資産きんゆうしさん

現金、預金、売掛金、株式など、お金そのものやお金を受け取る権利をまとめた呼び方

ひとことでいうと

金融資産とは、現金や預金、売掛金のような金銭債権、株式や債券のような有価証券など、お金そのものやお金に関わる権利をまとめた呼び方です。お店の商品や建物のような実物の資産とは区別します。

「お金そのもの」と「お金に関わる権利」をまとめた呼び方

花屋の財布の中には、レジの現金、銀行口座の預金、取引先からあとで受け取る売掛金、余ったお金で買った株式などが混ざっています。これらは形も性質も違いますが、どれも最終的にはお金の形に結びつく資産です。会計では、これらをまとめて金融資産と呼びます。

現金・預金・売掛金・株式などお金に関わる資産を金融資産としてまとめ、商品や建物などの実物資産と区別する図。
図1 お金に関わる資産をまとめて、金融資産と呼びます。

金融資産は、お金そのものと、お金を受け取る権利

企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」第4項では、金融資産を、現金預金、受取手形・売掛金・貸付金などの金銭債権、株式その他の出資証券や公社債などの有価証券、そしてデリバティブ取引から生じる正味の債権等と定めています。つまり、お金そのものだけでなく、あとでお金を受け取れる権利も金融資産に含まれます。

これに対して、お店で売るための商品や、営業で使う建物・車両のような資産は、金融資産には含まれません。これらは実際に使ったり売ったりすることで価値を生む資産で、実物資産や事業用資産と呼ばれます。

同じ「資産」でも、値動きの性質が違う

商品や建物の価値は、需要や使用状況によって変わりますが、日々の市場価格が細かく公表されているわけではありません。一方、株式や債券などの金融資産の一部には、市場で取引される時価があり、決算のたびに時価で見直す処理が必要になる場合があります。この違いが、金融資産を区別して扱う理由の一つです。

花屋の現金10万円、普通預金40万円、売掛金5万円、株式20万円を合計し、金融資産75万円とする図。商品の在庫15万円は含まない。
図2 花屋の金融資産を合計すると75万円です。

花屋の金融資産を合計してみる

図2は、花屋が持つ資産のうち、金融資産にあたるものを取り出した例です。レジの現金10万円、銀行の普通預金40万円、取引先への売掛金5万円、余ったお金で買った株式20万円を合計すると、金融資産は75万円になります。

一方、お店で売るための商品(お花)の在庫15万円は、実物資産であり金融資産には含めません。同じ貸借対照表の資産の中でも、金融資産かどうかで性質が違うことを意識すると、財務諸表の中身が理解しやすくなります。

金融資産の中身は、さらに細かく分かれる

金融資産の中でも、現金・預金はそのままの価値、売掛金や貸付金は将来お金を受け取る権利、株式や債券などの有価証券は保有目的によって評価方法が変わります。この記事では全体像を扱い、有価証券の詳しい評価方法は別の記事で説明します。

ここまでのおさらい

金融資産とは、現金・預金・売掛金・株式・債券など、お金そのものやお金に関わる権利をまとめた呼び方です。商品や建物などの実物資産とは区別して考えます。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門解説。企業会計基準第10号にもとづく金融資産の範囲と、実物資産との違いを扱う。デリバティブ取引の詳細、連結上の取扱いは対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

花屋の金額は説明用の仮定です。デリバティブ取引や複合金融商品の詳しい範囲、連結財務諸表上の取扱いは未判定です。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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