費用ひよう

純資産を減らす、事業に使った負担

ひとことでいうと

費用は、事業によって純資産を減らす項目です。花屋が売ったお花の元の代金やお店の家賃など、儲けを得るために使った負担を費用と呼びます。

お花を売るために使った分

お花を売って25万円を受け取っても、そのお花を仕入れるのに15万円、お店の家賃に5万円を使っていれば、まるまる25万円が儲けになるわけではありません。事業のために使った、この15万円と5万円が費用です。

花屋がお花を売るために使った、仕入代金15万円と家賃5万円をまとめた図。使った分が費用になる。
図1 事業のために使った分が、費用になります。

儲けを得るために、使った分

花屋が25万円のお花を売るために、もともと15万円でお花を仕入れていました。また、お店を借りるための家賃5万円も払っています。この15万円と5万円は、収益を得るために使った負担です。会計では、これらを費用と呼びます。

純資産は、収益によって増え、費用によって減ります。費用は、事業をするうえで避けられない負担であり、それ自体は悪いことではありません。使った分に見合う収益を得られているかが大切です。

支払った日と、費用にする日は別

家賃5万円は、支払った日ではなく、お店を借りていた期間に対応させて費用にします。家賃は毎月その月の分を支払うことが多いため、支払った月とサービスを受けた月が同じに見えますが、費用になる理由は「その月に支払ったから」ではなく「その月分のお店を借りる期間が過ぎたから」です。一方、仕入代金15万円は、お花を仕入れた日にすぐ全額を費用にするのではなく、実際にそのお花が売れた日に費用として記録します。仕入れてまだ売れていない分は、資産である商品(棚卸資産)のままです。

花屋の費用の内訳。仕入代金15万円と家賃5万円を合わせて費用20万円になる図。収益25万円と比べている。
図2 費用の内訳は、仕入代金15万円と家賃5万円で、合計20万円です。

収益と費用を並べて、儲けを見る

図2では、花屋の費用15万円と5万円を合わせて、費用の合計は20万円です。収益25万円と比べることで、事業がどれだけ儲かったかが見えてきます。収益から費用を引いた残りが利益です。

仕訳では、お花が売れた分を仕入(費用)として記録します。家賃も、現金を支払った日ではなく、お店を使った期間に対応させて支払家賃(費用)として記録します。家賃は使った月の分をその月に支払うことが多いため、現金が減った日と費用になる日が近く見えますが、費用になる理由は現金を払ったことではなく、その期間お店を使ったことです。家賃を前払いしても後払いしても、サービスを受けた期間に対応させて費用にするという考え方は変わりません。

間違えやすい点:費用=その日の現金の支払いではない

費用は、現金を払った日にだけ発生するとは限りません。たとえば、まだ支払っていない電気代でも、使った分は当期の費用として記録します(未払費用)。逆に、来月分の家賃を先に払っても、今月分だけを今の費用にします(前払費用)。支払いのタイミングと、費用として記録するタイミングを混同しないことが、費用を理解する鍵です。

この考え方を発生主義といい、企業会計原則でも、支出・収入ではなく発生した期間に費用・収益を割り当てることが原則とされています。

仕訳で確かめる

当月分の家賃5万円を当月末に現金で支払ったとき(単位:万円)
借方金額貸方金額
支払家賃5現金5

ここまでのおさらい

費用は、事業によって純資産を減らす項目です。支払った日と費用として記録する日がずれることがある点を、収益と合わせて確認しましょう。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門解説。花屋の売上原価と家賃を例に費用の意味と発生主義の考え方を扱う。詳細な原価計算、税務は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

花屋の仕入原価・家賃の数値は説明用の仮定です。詳細な原価計算、税法上の必要経費の判定は未判定です。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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