債券さいけん

国や会社が資金を借りるために発行し、利息と満期日の元本返済を約束する証券

ひとことでいうと

債券とは、国や会社などが資金を借りるために発行する証券で、あらかじめ決められた利息と、満期日の元本返済を約束するものです。出資である株式とは異なり、貸し借りの性質を持ちます。

会社や国に、証書付きでお金を貸すようなもの

友だちにお金を貸すとき、「いつまでに、いくらの利息をつけて返す」という約束を紙に書いておくことがあります。債券は、これを会社や国の規模で行うようなものです。投資家は債券を買うことで、発行した会社や国にお金を貸し、利息と元本の返済を受け取ります。

株式は会社への出資、債券は会社や国への貸し付けであり、会社は株式や債券、国は国債などで資金を調達することを対比して示す図。
図1 株式は出資、債券は貸し付けという違いがあります。

債券は、出資ではなく貸し付け

債券とは、国、地方公共団体、会社などが、投資家から資金を借り入れるために発行する証券です。発行する側は、あらかじめ決めた利率にもとづく利息(クーポン)を定期的に支払い、満期日には額面金額(元本)を返済することを約束します。

株式が「会社に出資して、その会社の一部を持つ」ものであるのに対し、債券は「会社や国にお金を貸して、利息と元本の返済を受ける」ものです。株式の配当は業績次第で変わりますが、債券の利息は原則としてあらかじめ決められた金額が支払われます。

保有する目的で、評価方法が変わる

債券を保有する側では、満期まで持ち続けるつもりなら「満期保有目的の債券」として取得原価で貸借対照表に載せます(企業会計基準第10号第16項)。一方、値上がり益を狙って売買するつもりなら、有価証券の記事で説明した売買目的有価証券として時価評価の対象になります。

花屋が社債10万円を満期保有目的で購入し、毎年利息を受け取り、満期に元本10万円が戻る流れを示す図。
図2 満期保有目的の債券は、利息を受け取りながら満期を待ちます。

花屋が社債を満期保有目的で買ってみる

図2は、花屋が額面10万円、年利1%、満期3年の社債を、額面と同じ10万円で購入し、満期まで持ち続けるつもりで保有した例です。満期保有目的の債券に区分されるため、取得原価の10万円のまま貸借対照表に計上します。

毎年、利息として10万円の1%にあたる1,000円を受け取り、有価証券利息として収益に計上します。3年後の満期日には、額面どおり10万円が返済されます。この例では取得価額と額面が同じため、償却原価法による差額の調整は発生しません。

仕訳で確かめる

花屋が社債を満期保有目的で購入し、利息を受け取ったとき(単位:円)
借方金額貸方金額
満期保有目的の債券100,000現金100,000
現金1,000有価証券利息1,000

ここまでのおさらい

債券は、国や会社への貸し付けから生まれる証券です。株式との違い、満期保有目的なら取得原価で評価する点を押さえましょう。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門解説。債券の基本的な性質、株式との違い、満期保有目的の債券の取得原価による評価を扱う。償却原価法の詳しい計算、格付けや利回りの詳細は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

花屋の金額・利率は説明用の仮定です。取得価額と額面が異なる場合の償却原価法の詳しい計算は未判定です。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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