純資産と儲けの計算 一歩くわしく
自己株式じこかぶしき
会社が発行した自社の株式を、会社自身が買い戻して保有するもの
ひとことでいうと
自己株式は、会社が発行した自社の株式を、株主から現金などを対価に買い戻して保有するものです。株式は会社に戻り、その対価として現金は会社から株主へ出ていきます。純資産のマイナス項目として表示します。
会社が現金を払い、株式を買い戻す
花屋の株式を持っている株主から、会社が現金を払ってその株式を買い取ることがあります。買い取られた株式は自己株式と呼ばれます。会社に戻ってくるのは株式であり、現金は逆に会社から株主へ出ていきます。
会社が、自社の株式を買い戻す
自己株式とは、会社が発行した自社の株式を、会社自身が株主などから買い取って保有しているものです。会社法第155条・第156条にもとづき、株主総会の決議など一定の手続きを経て取得することができます。
自己株式を取得すると、会社はその株式を持っていた株主に現金などの代金を支払い、代わりにその株式を受け取って会社の中に保有します。つまり、会社から株主へ現金が出ていき、株式が会社に戻ってくるという、資金の流れとしては逆方向の取引です。
なぜ資産ではなく、純資産のマイナスなのか
自己株式は、企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」第7項にもとづき、資産としては計上せず、純資産の部の中で株主資本からの控除項目として表示します。これは、自己株式が他社の株式のように将来の利益を生む投資ではなく、会社が株主へ資金を支払い、自社の株式を買い戻した結果であるためです。
花屋の自己株式の取得を確かめる
図2は、花屋が株主から自社の株式を50万円で買い取った例です。この50万円は現金の減少として記録される一方、資産としてではなく、純資産の中の自己株式という項目にマイナスの金額(△50万円)として計上されます。
この結果、花屋の純資産の合計額は、自己株式を取得した分だけ減少します。買い取った株式は、将来、消却したり、再び売り出したりすることがありますが、その処理はこの記事では扱いません。
仕訳で確かめる
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 自己株式 | 500,000 | 現金 | 500,000 |
ここまでのおさらい
自己株式は、会社が買い戻した自社の株式です。資産ではなく、純資産の中のマイナス項目として表示します。
出典と確認状況
説明の範囲
日本基準の入門解説。会社法・企業会計基準にもとづく自己株式の取得と、純資産における表示方法を扱う。自己株式の消却、処分の詳細な会計処理は対象外。
- 会社法第155条・第156条(株式会社による自己の株式の取得)株主総会の決議等にもとづく自己株式取得の手続き。
- 企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」第7項:取得した自己株式は、取得原価をもって純資産の部の株主資本から控除する。自己株式が資産ではなく株主資本の控除項目になる根拠。
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
花屋の自己株式の取得額50万円は説明用の仮定です。自己株式の消却・処分、種類株式が絡む詳細な処理は対象外。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。